なんで英語を勉強しないといけないの?
2024.12.18
「なぜ、こんなに苦労して英語を勉強しなければならないのか?」多くの中高生の皆さんが疑問に思っていると思います。それは、素敵な未来の扉を開くための鍵だからです。今回は英語を頑張って勉強して、本当に良かったと思ったことを書きますね。
私は、2024年12月にザルツブルグ・グローバルという、国際的なシンクタンクの会合に参加しました。シンクタンクと言うのは最新の情報を使って将来を予測し、政府・企業・国際機関・一般社会に提言する組織のことです。会合に参加することによって、異文化理解、社会を変革するためのリーダーシップスキルなどを、実践を通して身に着けることができます。ここで出会う人々は、皆、社会性と情動のスキルと好奇心を持ち、お互いに助け合いながら新しい未来をデザインしていて、とても素敵な人ばかりです。今回は、メキシコ、ケニア、ナイジェリア、アメリカ、カタールなど、いろいろな国の人と一緒に未来の教育について議論しました。
議論の方法も使っている道具も、本校のSTEAMプログラムで実施しているものとほぼ同じです。なぜなら本校のSTEAMプログラムは、ここで私が学んだことを応用しているからです。ただ、違うのは全て英語で実施する点です。会議に参加する人々は、世界40カ国以上から集まるので英語しか使えません。
インドやアフリカで育った人が話す英語は、アメリカやイギリスで育った人の英語とは少し違うので、聞き取りがかなり難しく、何回も聞き返さないとわからないことが多かったです。けれども、全員が言語や文化背景が違うことを理解しているので、何度でも説明してくれて寛容です。うまく表現できなくても、全員が手伝ってくれます。重要なのは、どのような考え方や意見をもっているか、社会をより良い方向に変革していきたいと考えているかどうかで、細かいことはあまり気にしません。
会場は、シュロス レオポルドスクロン(ザルツブルク)というお城をリノベーションしたものでした。シャネルのファッションショーや国連関係者の講演にも使われているそうです。英語ができれば、こんな未来が開けています。どうですか?ちょっとはやる気がでましたか?
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今井 朝子(株)日立製作所にて研究開発に従事した後、アメリカの企業にて東京大学とイリノイ大学とのVRの国際研究プロジェクトに参加し、アプリケーション開発に従事。その後ユーザビリティーに関するフリーランサーとして多数企業の新規事業提案等に携わる。現在、総務省情報通信審議会専門委員、OECD SSES National Project Manager、Salzburg Global Seminar Fellow(世界をより良くするために活動しているリーダーのための国際NPO)、Karanga執行役員(社会性と情動の学び、生きる力の学びを広めるために活動している国際アライアンス)群馬県非認知教育専門家委員会委員、SEL Japan 運営メンバーを兼務。
<経歴>
・慶應義塾大学理工学部卒業
・慶應義塾大学大学院理工学研究科物理学専攻 修士課程修了
・イリノイ大学コンピュータサイエンス科 修士課程修了
・東京大学大学院工学系研究科先端学際工学専攻博士課程修了