OECD未来の教育とスキル2030

2024.10.18

中学生や高校生の皆さんは、どのように学びたいですか?

現在、世界の人は2030年までに達成すべき教育を共創しているのですが、皆さんや先生のウェルビーイングを大切にしようという方向に向かっています。

その共創の場である、未来の教育とスキル2023のグローバルフォーラム(The Global Forum on the Future of Education and Skills 2030)に参加したのでどのような雰囲気なのかをご紹介します。このフォーラムでは、過去に「OECD ラーニング・コンパス(学びの羅針盤)2030」を発表し、多くの国の教育機関や研究機関がこの報告書を参照しています。

これからの教育では、ウェルビーイングの実現に向けて共創していくことが重要なので、教育を創造するこのフォーラムそのものがそのような新しい発想で運営されています。まずはメンバー。写真の通り、多くの国の人々で構成されていて、国の教育政策にかかわる人、先生を育てている大学の教授、学校の先生、高校生、ロボットを開発している人など、教育にかかわる多様なな人々が集まり4日間にわたって、情報や意見を交換しました。参加者のバックグランドは多様でしたが、全員が対等に意見を交換しました。

OECD未来の教育とスキル2030の参加者
OECD未来の教育とスキル2030の参加者
フォーラムで発表する日本の高校生
フォーラムで発表する日本の高校生

このようなフォーラムを実現するためには方針がしっかりしている必要があり、参加者は次のような5つの方針を守る義務があります。

1.ビジョンと志を理解すること。そのビジョンとは、学生の皆さんが、自分を含めた多様な人々のウェルビーイングの実現に向けて共創し、よりよい未来を切り開くことができるよう支援すること。

2.未来志向のグループであること。創造的で多様性を受け入れるような方法で議論をすること。

3.グローバルコミュニティーであること。参加者は、多様な国や文化的背景を尊重すること。

4.ワーキンググループであること。参加者の声を重視すること。

5.政策立案者に情報を提供すること。新しい協働を実施して、創造的な提案をすること。

このように世界では、共通のビジョンや志を持つ人がコミュニティーを作って活動しています。本校のSTEAM授業は、未来の社会で生き生きと活動する若者を育てるために、こうしたフォーラムに参加した経験を生かしてデザインされています。

この記事を書いたメンバー
今井 朝子
今井 朝子
(株)日立製作所にて研究開発に従事した後、アメリカの企業にて東京大学とイリノイ大学とのVRの国際研究プロジェクトに参加し、アプリケーション開発に従事。その後ユーザビリティーに関するフリーランサーとして多数企業の新規事業提案等に携わる。現在、総務省情報通信審議会専門委員、OECD SSES National Project Manager、Salzburg Global Seminar Fellow(世界をより良くするために活動しているリーダーのための国際NPO)、Karanga執行役員(社会性と情動の学び、生きる力の学びを広めるために活動している国際アライアンス)群馬県非認知教育専門家委員会委員、SEL Japan 運営メンバーを兼務。

<経歴>
・慶應義塾大学理工学部卒業
・慶應義塾大学大学院理工学研究科物理学専攻 修士課程修了
・イリノイ大学コンピュータサイエンス科 修士課程修了
・東京大学大学院工学系研究科先端学際工学専攻博士課程修了