次の人生のステージを準備するには?

2020.01.31

こんにちは!
STEAM教育担当の今井朝子です。

今までのブログでは、企業や大学とコラボした授業など新しい教育についての検討過程を紹介してきました。変化が激しいこれからの時代を学生が力強く生きていくために、今何を学ぶべきなのか考え取り組んでいますが、シリコンバレーで世界を動かしている企業(Google, Apple, Yahoo, Hewlett-Packardなど)で勤めている方も、自分の子どもたちの教育について試行錯誤をしています。

彼らが考える必要な要素としては、
・創造する力(Creativity)
・会話をする力、伝える力(Communication)
・共同作業をする力(Collaboration)
・立ち直る力(Resilience)
さらに、特に大切なのは人としての魅力だと考えているようです。また、子供の頃にバーチャル世界よりも現実世界で体験することを重視しています。AI(Artifitial Intelligence:人工知能)が発達し、いつでもどこでも情報を送受信することができます。また新しい技術を使って考えたことが実現しやすくなり、自分たちの未来を自由にデザインできるようになります。しかし、実は未来をデザインするためには現実世界での経験、特に人と人とのリアルなやりとりが重要であることを、シリコンバレーで働く人々が実感しているのだと思います。

画像1Preparing for LIFE からの抜粋(https://vimeo.com/80871986

インターネットが発達し、いつでもテレビ会議ができるようになった現在でも、各国の首脳や社長が対面で合う努力をしていることからも、人と人とのリアルなコミュニケーションは世界がどんなに変化しても重要であることがわかります。
本校には、全校生徒で寒稽古した後お汁粉を食べる伝統行事があります。生徒も先生も一緒になって稽古し、お汁粉を食べ、お互いに感謝します。「人に親しまれ信頼される人間になれ」という校訓により、本校では人と人のリアルなコミュニケーションを大切にしており、その理念が90年間引き継がれています。現実社会での豊富な経験は、世界が急速に変化している今ますます重要になり、生徒たちの次の人生のステージの準備に欠かせないものになっています。

座った位置からの乱取り

理科の先生に勝った生徒

相手に感謝。大切なコミュニケーションの一つです。

練習後は、お汁粉を食べながら歓談します。

 

この記事を書いたメンバー
今井 朝子
今井 朝子
(株)日立製作所にて研究開発に従事した後、アメリカの企業にて東京大学とイリノイ大学とのVRの国際研究プロジェクトに参加し、アプリケーション開発に従事。その後ユーザビリティーに関するフリーランサーとして多数企業の新規事業提案等に携わる。現在、総務省情報通信審議会専門委員、OECD SSES National Project Manager、Salzburg Global Seminar Fellow(世界をより良くするために活動しているリーダーのための国際NPO)、Karanga執行役員(社会性と情動の学び、生きる力の学びを広めるために活動している国際アライアンス)群馬県非認知教育専門家委員会委員、SEL Japan 運営メンバーを兼務。

<経歴>
・慶應義塾大学理工学部卒業
・慶應義塾大学大学院理工学研究科物理学専攻 修士課程修了
・イリノイ大学コンピュータサイエンス科 修士課程修了
・東京大学大学院工学系研究科先端学際工学専攻博士課程修了