『興味が湧く課題』とは?

2020.01.17

こんにちは!
STEAM教育担当の今井朝子です。

前回のブログで、学生がスポーツなどに興味を持って取り組む際、適切なサポートがあれば社会人と同じレベルにまで到達することができ、可能性を広げられるというお話をしました。(前回のブログはこちら
しかし、ここで問題となるのは『興味が湧く課題』をどう見つけていくのか、ということです。もちろん生徒自身で課題を発見し、取り組んでいくことが理想です。しかし自分で課題を発見できない場合も想定し、高校生にとって身近で社会への貢献にも繋がる課題を探し、生徒たちに提案できるよう準備しておく必要があります。

今回は課題探しの一環として、東大インクルーシブ工学連携研究機構(RIISE)と、10代の利用者が多いメルカリが考えている価値交換工学という新しい分野について、先生方と意見交換をしてきました。

ziyu価値交換工学のイメージ(出典:メルカリプレスリリース)

東大のRIISEは、「インクルーシブ社会」という“誰もが技術革新の恩恵を受けられる社会”を目指しています。今回お会いした東大インクルーシブ工学連携研究機構 機構長の川原圭博教授は、理想の社会を実現するための課題として価値交換をあげています。そしてメルカリの研究開発組織「mercariR4D」に所属されている山村亮介さんとともに、価値交換工学という新しい分野を作ろうとしていらっしゃいます。

ziyu2
「mercari R4D」のR4Dは、研究(Research)と4つのD、設計(Design)・開発(Development)・実装(Deployment)・破壊(Disruption)を意味しています。

この価値交換に繋がるのが、メルカリが目指す≪循環型社会の実現≫です。実際にメルカリのサイトでは、個人単位で不要となったものを販売して循環させています。捨てるのではなく必要な人の手に渡る社会になれば、環境への負担を減らすことができます。もしかしたら温暖化の進行を遅らせることができるかもしれません。
この≪循環型社会の実現≫を達成するために、mercari R4Dは「テクノロジーの力で価値交換のあり方を変えていく」をコンセプトに研究を進めているそうです。

本校では、このような素晴らしい未来を作ろうとしている先生方と生徒が、未来のデザインについて一緒に考える機会を設けていきたいと考えています。

この記事を書いたメンバー
今井 朝子
今井 朝子
(株)日立製作所にて研究開発に従事した後、アメリカの企業にて東京大学とイリノイ大学とのVRの国際研究プロジェクトに参加し、アプリケーション開発に従事。その後ユーザビリティーに関するフリーランサーとして多数企業の新規事業提案等に携わる。現在、総務省情報通信審議会専門委員、OECD SSES National Project Manager、Salzburg Global Seminar Fellow(世界をより良くするために活動しているリーダーのための国際NPO)、Karanga執行役員(社会性と情動の学び、生きる力の学びを広めるために活動している国際アライアンス)群馬県非認知教育専門家委員会委員、SEL Japan 運営メンバーを兼務。

<経歴>
・慶應義塾大学理工学部卒業
・慶應義塾大学大学院理工学研究科物理学専攻 修士課程修了
・イリノイ大学コンピュータサイエンス科 修士課程修了
・東京大学大学院工学系研究科先端学際工学専攻博士課程修了